30/05/2026
彼女と出会ったのは6年ほど前。
その頃の僕は、ウクライナを「Ukraine」と発音することさえ知らなかった。
今、彼女はドイツで暮らしている。
ウクライナでは美術大学に通い、デザイナーとしてもモデルとしても活躍していた。
そんな彼女が言った。
「なんで私が、積み上げてきた人生を全部捨てて逃げなきゃいけないの?」
戦争のニュースは数字で語られることが多い。
でも、その数字の裏には、一人ひとりの人生がある。
その言葉が今も胸に残っている。
「戦争は国を壊す前に、人の人生を壊す。」
写真展「道標」
— 手と笑顔が紡ぐウクライナの今 —
遠い国で起きている戦争を、私たちはどこか「善と悪」「白と黒」の単純な対立として捉えてしまいがちです。しかし、ウクライナの地に足を運んで目にしたのは、空襲警報が鳴るなかでもカフェで日常を紡ぐ人々の姿であり、複雑な国際政治や経済の裏で、ただ「大切な日常」を守ろうと必死に生きる一人ひとりの営みでした。
本展は、ウクライナ国内外で生きる人々の「手」と「笑顔」に焦点を当てた写真展です。 福山雅治氏の楽曲『道標』にインスパイアされ、彼らがこれまで歩んできた道のりと、これからの未来への願いをカメラに収めました。
刻まれた皺(しわ)や傷、力強く差し出された「手」は、彼らが守り抜いてきた人生そのもの。そして過酷な現実のなかで見せてくれた「笑顔」は、私たちが決して見失ってはならない希望の光です。 「No War」という言葉だけではこぼれ落ちてしまう、当事者たちの生きた証。彼らの手と笑顔が、激動の時代を生きる私たちにとっても、未来を照らす「道標」となることを願っています。
長井 晋
6/15(月)−20(土)ま�